・女性が活躍
ジェンダーダイバーシティにおいて、特筆すべき点は、日産自動車の女性管理職の割合は2016年4月で9.1%に達していることです。2017年4月には10%に到達する見込みです。これは、メーカー他社と比較して倍以上、自動車業界他社と比較すると3倍以上にもなります。女性管理職比率を目標にしている背景の一つとしては、お客様が車を購入する際、女性が直接間接的に意思決定に関与する割合は実に6割にも達しますが、男性社員だけで開発やデザインを行っていては女性のニーズがつかめないことからも、意思決定できる層に女性が多くいなければいけないという問題意識からです。よって、女性管理職を登用、その後も活躍してもらうことが目的ですので、私たちの取り組みは昇格前だけでなく、長期にわたり管理、サポートしていきます。例えば、能力があり意欲の高い社員には早期から育成計画を立て、女性役員、ロールモデルと面談等を行い、仕事の話はもちろん、プライベートも相談できる関係を築いてもらったりしており、個にフォーカスした育成を行っています。
・異文化同士が協力して働く体制を作る
カルチャーのダイバーシティという観点では、海外拠点から日本に派遣されたり、日本で外国人を採用したりと、多くの異なる文化を持つ社員が在籍しています。多様な社員が協働するために異文化研修が用意されています。イーラーニングとオフサイトの研修を年に複数回行っており、やり取りが多い国(例えば、フランス、中国、インド、ドイツ)についての一般的な知識や働き方、マネジメントスタイルなどを座学やワークを通して学びます。
ダイバーシティを重視しながらも、それぞれの社員が同じ目標に向かって進んでいくために、日産自動車では「NISSAN WAY」という価値観がグローバルで共有されています。
これはマインドセットとアクションで構成されます。それぞれ日産自動車で働くうえで非常に重要な考え方ですが、その中でも特に重要なのが、クロスファンクショナル・クロスカルチュラル。これはまさに日産自動車の仕事そのものなのです。社内では様々な国内外の複数の部門、社外ではサプライヤーや販売会社等の異なるカルチャーをもつ人たちと働くからこそ、多様性は尊重しつつ相互理解も図るために「NISSAN WAY」という価値観を共有することが必要になるのです。日産自動車では新卒研修のみならず、昇進やその後の各場面で繰り返し「NISSAN WAY」について研修を行っています。
今回の取材先:日産自動車株式会社 人事本部 日本タレントマネジメントグループ兼人材開発グループマネージャー 品川 裕祐 様